香りの系統図鑑|シトラス・フローラル・ウッディなど7つの系統から香水を選ぶ

香水選びに迷ったら、まず「系統」から絞り込む

香水売り場や通販サイトを開くと、銘柄の数の多さに選び方が分からなくなることがあります。ブランドやパッケージで選ぶのも一つの方法ですが、遠回りに見えて実は近道になるのが「香りの系統」から絞り込む考え方です。香水の香りは、柑橘系のさわやかさを軸にした系統もあれば、花の香りを軸にした系統、木の香りを軸にした系統など、いくつかの大きなグループに整理できます。まず自分が心地よいと感じる系統を知っておくと、店頭やECサイトで似た系統の銘柄を効率よく探せるようになります。この記事では、香水業界でよく使われる主要な系統の考え方を整理したうえで、本図鑑に収録している銘柄から系統別の代表例を紹介します。

香りの主要7系統とは

香りの分類にはいくつかの体系がありますが、本図鑑では編集部採点の14軸のうち、香りの方向性を表す7軸(citrus・floral・woody・musky・spicy・green・powdery)を「香りの系統」の基本として扱っています。それぞれの一般的な特徴は、香水通販サイト「フレグランス」(fragrance.co.jp)の香りのグループ分けページと、香料関連情報サイト「Perfumer House」(perfumerhouse.com)の香りの分類ページでも共通して次のように説明されています。

系統主な特徴
シトラス系「柑橘類の爽やかな香り。フレッシュで軽やかな香り」(Perfumer House)
フローラル系「ローズ、ジャスミン、スズランなどの文字通り花の香り」(フレグランス)
ウッディ系「香木系・樹木系の精油・樹脂の香り」(フレグランス。白檀やセダーウッドが代表例とされる)
ムスク系「動物性ムスクの香り。温かく甘い香り」(Perfumer House)
スパイシー系「スパイスのようなピリッとした個性的な香り」(Perfumer House)
グリーン系「植物の葉や茎を折ったときに感じるグリーン感の香り」(フレグランス。青臭さとも表現される)
パウダリー系「粉のようなパウダリーな香り。トルコバラ、アイリスなど」(Perfumer House)

このほかにも、甘い菓子を思わせる「グルマン系」やハーブの香りの「ハーバル系」など、複数の分類体系でさらに細かく系統が枝分かれしていくこともあります。ただし本図鑑では、収録アイテムの採点軸と対応させやすい基本の7系統を軸に整理しています。

系統別代表銘柄10選

編集部が7系統それぞれで、該当する採点軸のスコアが高い銘柄を本図鑑の収録アイテムから選びました。1系統につき1〜2本、あわせて10本です。

銘柄系統参考価格帯特徴
アクア ディ パルマ コロニア オーデコロンシトラス系30,800円(100ml)1916年発売、柑橘とハーブの王道コロン
ジョー マローン ロンドン ライム バジル&マンダリン コロンシトラス系11,880円(30ml)ライムとマンダリンにバジルのひねりを加えた構成
SHIRO ホワイトリリー オードパルファンフローラル系4,180円(40ml)リリーとマグノリアの華やかで清潔感のある香り
シャネル N°5 オードゥ パルファムフローラル系20,570〜28,270円1986年発売、メイローズとジャスミンを軸にした構成
ル・ラボ サンタル33 オードゥ パルファムウッディ系14,080〜45,650円サンダルウッドとシダーウッドを重ねたスモーキーな香り
ザボディショップ ホワイトムスク オードトワレムスク系3,190〜4,840円1981年発売、ウッディムスクをベースにしたロングセラー
メゾンマルジェラ レプリカ ジャズクラブ オードトワレスパイシー系12,210円(30ml)ピンクペッパーとレモンのスパイシーなトップ
ディプティック フィロシコス オードトワレグリーン系21,450円(100ml)イチジクの木をテーマにした青々しいグリーン
カルバンクライン エタニティ フォーメン オードトワレグリーン系4,510〜5,049円グリーンボタニカルとバジルを含む爽やかな構成
ゲラン シャリマー オードパルファムパウダリー系10,945円(90ml)1925年創作、アイリスとバニラの粉っぽい香り

シトラス系(2本) アクア ディ パルマ コロニアは公式サイトによると1916年発売のイタリアの老舗ブランドの定番で、レモンとスイートオレンジ、カラブリアンベルガモットのトップから、ラベンダーやローズマリーのミドルへとつながる構成が紹介されています。ジョー マローン ロンドン ライム バジル&マンダリンは、公式が「コショウのようなバジルが意外なひねりを加える」と説明する一本で、マンダリンとライムの爽やかさにハーブの個性を効かせた構成です。図鑑の採点軸ではどちらもcitrus5ながら、コロニアはgreen3・woody2、ライム バジル&マンダリンはgreen3・spicy2も持ち合わせており、単純なシトラス一色ではない構成であることがうかがえます。

フローラル系(2本) SHIRO ホワイトリリーは公式が「リリーやマグノリアなどの花々が香る、華やかで清潔感のある香り」と紹介する一本で、季節や性別を問わず使いやすいとされています。シャネル N°5は1986年発売のオードゥ パルファムで、調香師ジャック・ポルジュによる構成としてシトラスのトップからメイローズとジャスミンのミドル、バニラのラストへ展開すると公式に説明されています。floral軸はホワイトリリーが5、N°5が4で、N°5はsweet3・citrus3も持つ複合的な構成です。

ウッディ系・ムスク系(各1本) ル・ラボ サンタル33は、公式がカルダモンとアイリス・スミレのきらめきに、サンダルウッドとシダーウッドのスモーキーなウッディさを重ねた香りと説明する、ニッチ香水を代表する一本です。woody5に加えてmusky4も高く、ウッディ系とムスク系の両方の性質を強く持つ銘柄といえます。ザボディショップ ホワイトムスクは1981年発売のロングセラーで、公式は「トップ、ハート、ベースノートの調和が、あらゆるシーンにぴったりフィットする」オードトワレと紹介しています。musky軸は本図鑑収録銘柄の中でも最上位の4です。

スパイシー系(1本) メゾンマルジェラ レプリカ ジャズクラブは、公式サイトで「ニューヨークの中心地に潜むプライベートジャズクラブ」の雰囲気を再現した香りと説明されており、ピンクペッパーとレモン、ネロリのトップにラムアブソリュートやタバコリーフのラストを重ねた構成です。spicy軸は3で、sweet軸も3と甘さを伴うスパイシーさが特徴です。LUSH カルマ パフュームは、公式が「オレンジ、パチョリが織りなす心惑わせるブレンド」と紹介するオリエンタルスパイシー系で、パチョリ・オレンジ・ラバンデュラ・シベリアモミ・レモングラスを配合した天然エッセンシャルオイル由来のパルファンです。本図鑑の採点ではuniqueness(個性)が5と収録銘柄で最高クラスで、レプリカ ジャズクラブとは異なる個性の強いスパイシー系として並びます。

グリーン系(2本) ディプティック フィロシコスは、公式がイチジクの木そのものへの賛歌をテーマに、葉の青々しいグリーンさと木部の密度を表現した香りと紹介する銘柄で、green軸は本図鑑収録銘柄で最上位の5です。カルバンクライン エタニティ フォーメンは、マンダリンとラベンダー、グリーンボタニカルのトップからバジルとゼラニウムのミドルへ展開する構成で、green4に加えてclean4・versatile5と幅広い場面で使いやすい採点になっています。

パウダリー系(1本) ゲラン シャリマーは、公式によると調香師ジャック・ゲランが1925年に創作した史上初のアンバー香水とされ、アイリスとジャスミン、ローズの「粉っぽく包み込むような」ミドルからバニラとトンカビーンのラストへ展開する構成です。powdery軸は4、sweet軸も4で、本図鑑の中でも甘さと粉っぽさを両立した代表格です。

香りは1系統だけでできているわけではない

ここまで7系統ごとに代表銘柄を紹介しましたが、実際の香水はトップ・ミドル・ラストと時間が経つにつれて香りの印象が変化するため、1銘柄が1系統だけで構成されていることはほとんどありません。たとえばル・ラボ サンタル33はウッディ系の代表として紹介しましたが、公式説明ではカルダモンやアイリスといったスパイシー・パウダリーな要素もトップ〜ミドルに含まれており、図鑑の採点軸でもspicy1・powdery1とわずかながらスコアが付いています。ゲラン シャリマーも同様に、パウダリー系の代表でありながらfloral3・citrus2という複数の軸にスコアがまたがっています。系統は「その香水の性質のうち、最も強く出ている方向性」を示す目安であり、絶対的な分類ではないという点を踏まえて活用するのがおすすめです。

系統から自分に合う1本を見つけるコツ

気になる系統が見つかったら、その系統のスコアが高い銘柄を軸に探していくのがおすすめです。本図鑑には軸ごとにスコアの高い銘柄を並べたランキングページがあり、たとえば「citrus」や「floral」といった系統の軸で降順に一覧できます。また、選択式の質問に答えて好みに近い銘柄を診断する機能も用意しているため、系統がまだ定まらない場合はそちらを先に試すのも一つの方法です。1本の香水の中でも系統が複合していることが多いため、代表銘柄を1本試して終わりにせず、似た系統を持つ別の銘柄と比較しながら好みを絞り込んでいくと、香水選びの精度が上がっていきます。複数の系統をフルボトルを買わずに実際の香りで確かめたい場合は、少量ボトルが毎月届く定期便という手段もあります。サービスの違いは香水サブスク比較で整理しています。

まとめとよくある質問(FAQ)

香水の香りは、シトラス・フローラル・ウッディ・ムスク・スパイシー・グリーン・パウダリーの7系統を軸に整理すると選びやすくなります。ただし多くの銘柄はトップ・ミドル・ラストの変化の中で複数の系統をまたいでいるため、1系統に決めつけず、代表的な軸のスコアを目安に近い系統の銘柄を比較していくのがおすすめです。

Q. 系統を知らなくても香水は選べますか? A. 選べます。ブランドや価格帯、パッケージの好みから選ぶ方法もあります。ただし系統を知っておくと、気に入った香水と似た系統の別銘柄を探しやすくなり、選択肢を効率よく絞り込めます。

Q. 1つの香水が複数の系統に当てはまることはありますか? A. あります。この記事で紹介した銘柄の多くも、代表的な系統の軸が最も高いスコアである一方、ほかの系統の軸にもスコアが付いています。時間の経過とともに香りの印象が変化するため、複数の系統が重なるのが一般的です。

Q. 自分に合う系統が分からないときはどうすればいいですか? A. 本図鑑のランキングページで気になる系統の軸のスコアが高い銘柄を眺めてみるか、選択式の診断機能を利用して好みに近い銘柄から系統を逆算する方法があります。小容量サイズが用意されている銘柄も多いため、まずは少量から試してみるのも一つの方法です。

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